わたしの全ての物語(仮)

ほとんど海外児童書

絵本『ティーカップ』( レベッカ・ヤング 作/ マット・オットリー 絵/ さくま ゆみこ訳/ 化学同人)

作者: レベッカ・ヤング
画家: マット・オットリー
訳者: さくま ゆみこ
出版社: 化学同人
出版年:2023年(9月)
ISBN:978-4759823103

ふるさとを離れなければならなくなった男の子が、生きていける場所を探しにボートで海に出る。カバンの中にはティーカップを入れてきた。おだやかな日も荒れる日も昼も夜もティーカップをそばに置いたり、抱きしめたり。波に揺られて月日がすぎるとティーカップの中に何かを見つけた——。

出発するとき、この男の子に残されたものはこの荷物だけだったのだと思う。家族はどうしたのだろうかと思うと胸がぎゅっとなる。

p25 の男の子のかわりようを見ると、ティーカップがあったからここまでこられたのだろうと思った。

ロマンたっぷりの幻想的な絵で、まるで自分が雄大な自然の中にいるような気分になった。空と海の境が美しくも恐ろしい。その力強さがすごい。多くを描いていないところが想像力を刺激する作品なので、いろいろな読み方ができそう。最後はどうなったのかなど、ほかのかたといろいろ語りたい。

 

2023/11/20 読了)